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河里一伸ぐうたらブログ

フランス書院美少女文庫で、エッチぃな小説を書いている河里一伸です。 このブログでは、自著の紹介と裏話を書いていこうと思います。あまり更新しませんが、よろしければ見ていってください。

ほしがり媚薬温泉


 この作品の原型は、何本か出したアイデアの内の1本でした。しかし、そのとき出したものは「濡れ肌バイク美女」に続く旅情もの的な感じで考えていたんです。したがって、「媚薬温泉」というワードこそあったものの、主人公が道に迷うなどして媚薬効果のある温泉にたまたまやって来て……というものでした。
 ところが、担当氏から「媚薬温泉」というアイデア自体にOKは出たものの、内容はほぼ全面的に見直すように求められました。
 そうして、主人公がその宿に宿泊するか、そこで働くか、みたいな感じでいくつかストーリーを作ってみたものの、担当氏からのOKが出ずにしばらく悩みました。
 そこで、「主人公が宿の主人になって、女性がそこを訪れるのでも『旅情もの』と言えるんじゃね?」という、いささか強引な思考の転換を行なったところ、本作のストーリーの原型が出来上がった次第です。
 とにかく、温泉を舞台にしたかったのは、私がけっこう温泉旅行に行くからで 温泉にのんびり浸かって、宿で美味しいご飯を食べながら酒を飲むのが、けっこう楽しみなのですよ。
 ちなみに、和室は膝が辛くなるため通常はホテルに泊まってしまうのですが、今作のために温泉旅館に泊まってみたりもしました。乱山荘の大浴場の描写などは、宿泊した旅館を参考に書き直したりしています。実際、泊まった宿が貸切風呂をメインにしていて、いつでも使える大浴場は申し訳程度の小さなものだったので、その意味ではとても参考になりました。
 乱山荘を人里から離れた秘密の宿にしたのは、やはり来訪者を制限したかったというのがありますね。他の人が訪れている場所で声を潜ませながら、というのも趣はありますが、本作のコンセプトには合わないですし。
 ちなみに、初期案だと乱山荘は普通の旅館の別邸のような形で山奥にあって、予約客がいるときだけ紗江が出向くような形にしていました。しかし、大輔が宿をオーナーにしようと考えた時点で、その形は意味をなくしたので完全に捨てましたね。
 ただ、独立した宿にしようと決めたあと、場所を山奥にするか海岸沿いにするかは、けっこう迷いました。山奥の温泉宿を舞台にした話は過去にも書いていますし、海が近ければ海水浴で水着を着るようなイベントも作れるな、と思ったりもしたのです。しかし、発売時期と小説内の季節をなるべく近づけることを考えた場合、海水浴はまず無理と言うことで、割り切って山のほうにした次第です。
 また、宿の位置も本当は東北の山奥あたりにしようか、と考えたりもしましたが、雪の問題がありそうなのでやめておきました。それはそれで風情がありますけど、余計なことにページ数を割かれそうですし、変に山奥だと冬は閉鎖ということにもなるかもしれないですからね。ということで、積雪があまりなさそうな静岡の外れあたりを想定することにしました。
 西日本にしなかったのは、私が東日本の人間であちらの方言がほとんど分からないからです 方言キャラが一人いるくらいなら、標準語を方言に変換するサイトとかあるので、それを使ってセリフを書けばらしさが出せますけど、舞台そのものを地方にすると大変なんですよ。まぁ、逃げと言えなくもありませんが

 キャラについては、紗江と真由子は比較的容易にできましたね。
 確か、紗江のほうを先に考えたと記憶していますが、こちらはとにかく筆下ろし担当ということで、肉感的で母性愛に溢れた感じの女性と考えて設定を作りました。
 なお、本文中で彼女のことを「女将」と書いていますが、女将的立場ではあるものの実際には「仲居」に過ぎません。これは、完成稿の時点でも実は「仲居」と書いていたのですが、担当氏の判断もあってゲラの段階で変更しました。
 真由子については、容姿面は紗江と真逆、性格は引っ込み思案ではないものの大輔を相手に自分の気持ちを口にできない、という基本を決めて、そこに肉付けをしていきました。
 二人を義理の親子の関係にしたのは、紗江の年齢をあまり上げたくなかったためです。一昔くらい前なら、真由子の年齢を低めにして実の親子で親子丼にしたほうがよかったのかもしれませんが、今はそこらへんが描きにくい時代なもので。
 紗江を不感症だったことにしたのは、もともと乱山荘を訪れた理由と、今も働き続けている合理的な理由が欲しかったからです。
 里菜に関しては、キャラクターを奔放なタイプの人妻にしようと最初から考えていたものの、乱山荘を訪れる理由をどうしようか、けっこう考えましたね。正直、不感症にすることも、最初は紗江との被りを気にしてためらいました。
 しかし、里菜を玉の輿のキャラクターにしようと考えたとき、紗江の不感症が先天的な感じなのに対し、精神的な理由で不感症になったのであれば差別化できるだろう、と判断してこの設定にした次第です。
 連城愛こと佐久間愛美については、グラビアアイドルにしようとは考えていたものの、キャラの設定でちょっと悩みました。不感症では他のキャラと被りますし、かと言って媚薬温泉に来る以上は性的な悩みを抱えているわけですから、何か考えなくてはなりません。
 そうして、「色気がない」ことを悩んでいることにして、そこから「男性恐怖症」という理由を逆算的に考えていきました。
 男性恐怖症なのにグラドルをやるのか、というツッコミもあるかもしれませんが、彼女がグラドルになった時期的にまだ就職難だったので、男性恐怖症の若い女性が一人暮らしをするお金を稼ぐ手段は限られるでしょう。
 ただ、怯えて逃げ回るタイプでは今回の場合、話が転がってくれないため、プライドが人一倍高い勝ち気なキャラクターにしてみました。
 
 このようにして、キャラクターを一通り作ってからストーリーを作り、プロットにOKをもらって書き出したのですが、今回は何が苦労したって、とにかく枚数超過ですよ。
 最初のザックリした入力をしている時点から、「これは枚数オーバーしそう」という危惧は抱いていたのですが、1回目の推敲であっさり枚数オーバーが確定。この時点で、本当は入れるつもりだった真由子との初体験エッチ後の紗江とのエッチシーンを、全面的にカットしました。
 それでも、21ページオーバーの状態だったので、これを規定の枚数まで減らすのには苦労しましたね。各所で、本来は入れていたやり取りを削ったりして枚数を削減したのですが、違和感のないように前後をあれこれ調整するのは、なかなか骨が折れました。

 このように作られた「ほしがり媚薬温泉」、温泉に行った気分になって楽しんでいただければ幸いです。 

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