お嬢様がいっぱい~恋する学園三国志!?~

確か、あれは「放課後メイド隊」(当時はタイトルがまで決まっていませんでしたが)の原稿を書いている最中に、次回作の打ち合わせで担当氏と食事をしていたときでした。私が、「今回はヒロインがメイドでしたし、次はヒロインをお嬢様にして主人公が執事でどうでしょう? あはは」なんて冗談半分で言ったら、担当氏が「それでいきましょう」と応じたのが、そもそものキッカケでしたね。瓢箪から駒?(^_^;
とはいえ、執事ものの作品がアニメ化されたりしている割に、美少女文庫には意外と見あたらないということもあって、自分としても目の付け所は悪くなかった気はしています。
当初案では、基本的な構造は変わらなかったものの三国志的な要素は一切なく、三人のお嬢様の性格なども完成稿とは別物でした。しかし、これは「『お嬢様』にプラスアルファの要素が欲しい」ということでボツ。
こうして、「プラスアルファ」をどうするかで、あれこれと打ち合わせることになりました。その中で、「戦国お嬢様」とか「幕末お嬢様」とか「お嬢様三国志」という意見のやり取りの中、特に最後が私の琴線に触れたワケです。
とりあえず、当初から「お嬢様がいっぱい(仮)」というタイトルでやっていましたが、三国志要素を入れるとなった時点で、個人的にはずっと「お嬢様三国志」という意識でいました。最終的には、タイトルの中にも「三国志」の文字はちゃんと入りましたが。
で、もちろん皆さんとっくに気づいていると思いますが、各キャラの名前には三国志の武将たちの名前の一部が盛り込まれています。
劉崎翔子には蜀の「劉備」の「劉」が、曹馬沙織は魏の「曹操」の「曹」が、吾孫子絵美香は呉の「孫権」の「孫」がそれぞれ入っています。
また、主人公の葛城亮太にも「諸葛亮孔明」の「葛」と「亮」の二文字が、絵美香を狙うレズっ娘の周東公子には「周瑜公瑾」から、翔子の執事「関口」と「張本」は当然、劉備と義兄弟の契りを交わした「関羽」と「張飛」から一文字ずつ拝借しましたし、翔子の父の名前「徳晴」にも劉備元徳」の「徳」の字が。
このように、ペットを含めて名前のあるキャラのすべてに、三国志の各国武将の名前の一部を国にも少しこだわりながら盛り込んでいます。言葉遊びの域ですけど。
三国志の知識がなくても読めますが(私もそれほど詳しいほうじゃないですし)、知っていればニヤリとなるエッセンスになっていれば、というところですね。
意外と苦労したのは、絵美香の「吾孫子」という姓を決めるまででした。劉崎とか曹馬はけっこうあっさり思いついたんですけど、「孫」という字は意外と姓に使いにくいんですよ。「孫権」や「孫堅」の「権」とか「堅」は、字が固すぎてあまり使いたくなかったですし、双方に共通する「孫」の字を使いたかったというのもあります。
で、なるべく自然な姓で、何かいい手はないかとかなり考えたとき、なんでしたか「あびこ」という名前を目にしたか聞いたかして、ようやくピンと来た次第。
キャラ造型には、あまり難儀しなかった気がします。特に既存作品のキャラを意識したワケでもなく、どういうお嬢様キャラを動かそうかと考えて、サクサクと作ってしまいましたか。いやもう、プロットは結構前に書いたから、あんまりキッカケをよく覚えていないという事実が(^_^;
また、今回は沙織にペットを用意しましたが、これは担当氏のアイデアです。初期案で沙織に当たるキャラを出したとき、私は付き人みたいな二人の取り巻き少女(エッチなし)というのを設定していましたが、それを動物に置き換えちゃおうという感じでしたか。
とはいえ、単にペットを出すだけでは面白くないので、三匹が沙織の手足となって働いたりエッチシーンに絡めたりしました。もっとも、獣姦まで行くと読者の皆さんが退いてしまいそうな気がしたので、あくまでも愛撫の手伝いにとどめましたが。河里ハーレムに獣姦は似合いません(^_^;
ところで、うり坊はイノシシの子供で、本当は生後4ヶ月くらいしかそう呼ばれる期間がないんですよね。ええ、もちろんそれは分かっていたのですが、こういうところでリアリティを追求しても仕方がないので、あえて無視しました。きっとキョンは、ずっとうり坊のままの新種なんでしょうってことで(^o^;
あと、サルのジュンについては種類はあえて指定せず、「絵描きさんにお任せ」ということにしました。したがって、表紙の帯に隠れつつ沙織の足にしがみついているジュンは、既存の種ではないと思われます。いいんです、とりあえず可愛ければ(^_^;
なお、今回は「いっぱい」というタイトルながら、絵はしなのゆらさんに担当していただきました。いつものことですが、イメージ通りの素敵なキャラを描いていただき、感謝の言葉もありません。
それに、ヒロインたちはもちろんですが、今回は表紙の沙織のペットたちがなんとも可愛くて好き(^o^)