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河里一伸ぐうたらブログ

フランス書院美少女文庫で、エッチぃな小説を書いている河里一伸です。 このブログでは、自著の紹介と裏話を書いていこうと思います。あまり更新しませんが、よろしければ見ていってください。

社畜OLの誘惑


 もともとは、担当氏から「今度は社畜ものを」というリクエストをもらったところから、話が始まりました。
 参考がてら、某マンガをいただいて読んだりしたものの、「女上司のみだれ顔」のときにも書いたように、私にはまともなサラリーマン経験がありません。そのため、「社畜」という感覚を掴むところから始めなくてはならなかったので、初期段階でいささか難儀しました。
 実は、一応その手の会社に内定をもらった身ではあるのですが、結局は色々あって入社しなかったんですよ。もっとも、もしもあの会社に入っていたら私は作家になっていなかったかもしれないので、「人間万事塞翁が馬」だなぁ、と思う次第でして……。
 それはともかく、そんなワケで、もしかしたらIT業界の人からは「これくらい当たり前」と思われてしまうかもしれない、と思いつつ、私としては「自分ならこんなところで働きたくない」と思えるような感じで、会社の設定を考えてみた次第です。
 ちなみに、「ムーンライズシステム」という名前については、実在しない社名を考えていく中で思いつきました。二次請けがメインの会社なので、太陽のおかげで輝く月、みたいなイメージでつけた名前です。

 キャラの人数は、今回の話をいただいた時点で「「女上司のみだれ顔」」との差別化で、「今作は複数プレイをやりたい」と考えており、最初から3人に絞り込んでいました。4人出すと、3Pや4Pを描く枚数的な余裕がなくなりますから、人数を絞る代わりに複数プレイを入れることにしたわけです。
 キャラの性格については、人数を決めた時点で概ね固まっていましたね。そのため、キャラ造型にはあまり悩みませんでした。
 そんな中で、多少悩んだのは春香です。こういう子が、どうしてムーンライズシステムに来たのか、そして何故辞めないのか、という点については、なんとか整合性を取ろうと苦戦しました。この手の子は、よほどのことがない限り、すぐに辞めちゃうと思いますから。
 真菜美は真面目であるが故に社畜になり、智代はもっと酷いところを知っているから、これくらいまだマシと割り切っていて……というのは、キャラを思いついた時点で考えていました。
 智代の謎の権力ポジションというのも、初期の設定段階からあったものですが、どうしてそういうことになったのかはあまり深く考えていませんでした まぁ、便利キャラにしておきたかった、ということで。
 ちなみに、男性キャラの名前は超適当です(笑) 少なくとも、東京都内と近郊に住んでいる人なら、男性キャラのネーミングの法則にすぐ気づいたはずです。三鷹、中野、大久保……はい、中央総武線の沿線駅ですね。
 もともと、チームに男性メンバーがいることにはしていたのですが、彼らの名前をまったく考えておらず、書き出してから「やっぱり名前があったほうがいいよな」と思ったのです。ただ、大したメンバーでもないので思いつきで名前をつけました。反省はしていません
 
 ストーリーについては、キャラの性格を一通り作った時点で、だいたい出来上がっていたので、あまり苦労した記憶はないですね。基本ラインは、修正時にもほとんど変えていませんし。
 執筆自体も、あまり苦労した気はしないのですが、油断したのかなんなのか、なぜか〆切までの時間が途中から足りなくなってしまって、いささか焦りました。私、だいたい一定のペースで仕事ができますし、今回も許容範囲内で原稿はできたのですが、どこかで計算が狂っていたみたいで、そのことに気づいたときは冷や汗をかきましたよ。もうちょっと、まめに予定を確認しておけばよかったです。
 あとは、けっこう細かいところで修正指示を受け、まだまだ己が未熟であることを痛感…… 

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女上司のみだれ顔


 もともとは、担当氏から「今度は女上司もので」とリクエストされたのが、この作品を生むキッカケになりました。
 ただ、参考資料をいただいて読んだものの、「これはそのままじゃ無理だわ」という話になり、「女上司」という部分だけを活用して、物語を作ることにした次第です。
 この時点で、今回のヒロイン数を四人にすることは決まっていました。
 問題は、「上司」をどう位置づけるかで、大きな会社では今回の話には向かないでしょうし、小さな会社では社長はともかくあとは上司と言っても大した役職も付かないでしょうし……という感じで、どうするべきか頭を痛めましたね。
 結局、舞台となる会社を合同会社にした時点で、まず社長である代表社員の志保と、合同会社の株主でもある業務執行社員の万里子と清美を「上司」という扱いにすることで、この点はクリアしました。が、それだけだと平均年齢が高く、話のバリエーションも不足するため、立場の近い人間を出そうと思い、同い年ながらも先に入社していた莉菜も「上司」みたいな扱いにしたわけです。かなり強引だなぁ、と我ながら思いますが(笑)
 で、キャラクター設定を詰めていったのですが、もっとも苦労したのは万里子と清美の差別化だったと記憶しています。
 志保に関しては、非常に責任感が強く、それ故に自身に向けられている好意に疎い、という基本設定は、社長(代表社員)にした時点で決めていたので、あとは諸々の肉付けをするだけでした。
 莉菜に関しても、「こういうキャラにしよう」と決めるまで多少苦労はしたものの、そこが決まったら設定作りに苦労はしませんでしたね。
 しかし、万里子と清美は、独身(離婚)と既婚という以外に、どうキャラを差別化をするべきか、かなり頭を悩ませました。何しろ、共に年上の設定ですからね。
 結局、万里子は筆下ろし担当なので性的に奔放なタイプで、清美は夫の転職失敗などで夫婦関係がギクシャクしてセックスレスになった、ということで、どうにか各々の特徴は出せたかな、と思っています。
 ちなみに、万里子が泥酔したフリをして……という展開にしたのは、実はちょうど同時期に特選小説の「泥酔した義姉を」を執筆していたことが影響しました。
 いや、あっちは本気で泥酔していたワケですが、万里子がどうやって圭介を誘惑するか考えていたときに、「泥酔」というキーワードが頭をよぎりまして。最初は、本気で酔わせようかと思ったものの、「泥酔した義姉を」との差別化や、酔っ払った勢いだけで童貞食いというのもいささか芸がないと考えて、本編のようになった次第です。
 なお、株式会社ではなく合同会社にしたのは、さまざまな法的な手続きなどを簡略化できるからです。が、合同会社の場合、正式には社長って「代表社員」なんですよねぇ。その点、ちょっとどうしようか悩みました。結局、社則で「代表社員を社長と呼ぶ」とすれば問題ないと分かって、そのようにしましたが。とにかく、会社を作って経営するってやっぱり大変だよなぁ、と調べながらしみじみ思いましたよ。
 
 そんな感じで、プロットにOKが出て書き出したのですが、今回はやけに執筆に苦労しました。まぁ、私にまともなサラリーマン経験がないせいもあるのでしょうけど、自分の時間の使い方に反省するべき点が多々ありまして……
 本当に、「なんでここまでしかできてないんだろう?」「今日の時点では、これくらいできていないとヤバいんじゃない?」と思ったことが一度や二度ではありませんでした。そんなことをしながら、旅行に行ってますます時間がなくなる、ということもやらかしたりとか まさに、自業自得です。
 また、清美との二回戦とエピローグの志保とのラブシーンは、実は第1稿だと書いておらず、担当氏からの指摘を受けて2稿目で書き足しました。清美の部分は、やや物足りなかったということと、エピローグは色気がなさすぎ、というのが主な理由でしたね。
 購入して本文を読んでくれた人なら分かると思いますが、特にエピローグはあのラブシーンがない場合どうなるか、想像してみてください。 私としては、第1稿の時点ではエピローグはダラダラ書かずに終わらせることを考えていたものの、確かに官能小説としては物足りなさは否めなかったかな、と指摘を受けてから思いましたね。
 まぁ、今回は人数の割に何故かページ数に余裕があったため、書き足すのが容易だったので助かりました。キツキツだったら、さすがに追加シーンなど入れたらどこを削るかで頭を痛めていたことでしょう。

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泥酔した義姉を

 特選小説2017年11月号に掲載された、第2作目の短編作品です。
 タイトルだけ見ると、凌辱か誘惑か判断がつきかねるかもしれませんが、基本的に特選小説では凌辱系で行く方針なので(今後どうなるかはともかく少なくとも現時点では)、凌辱色の強いものになっています。
 もともとは、自分が酒を飲んでよく寝てしまうことから、「もし、女性が泥酔して寝たところを襲われたら」と想像して、この作品のアイデアが閃きました。まぁ、私は基本的に泥酔状態になるほど酒を飲まない……と言うか、そこまで飲めないですし、許容量を超すと身体が酒を受けつけなくなる上に絶対二日酔いになる、という困った体質なので、今は二日酔いを避けるため飲み過ぎないようにそこそこ自重はしています。飲まない、という選択はないのですが
 ちなみに、編集部にはこの作品以外にもいくつかネタを出したのですが、今回は本作がいいだろうということになりました。ネタ的には、よりやってみたいものはあったのですが、担当氏と話していて想定していなかった方向性が見えたので、それを練り込む時間が必要になって今回はパスということにしました。
 
 さて、そんなワケで「泥酔した義姉を」をやることになったのですが、ヒロインをキャリアウーマンにすることは決めていたものの、彼女が泥酔するほど酒を飲む理由については、ちょっと悩みましたね。結局、プロジェクトリーダーをしていたプロジェクトが打ち切られて、やけ酒を飲んだということにしたのですが、最初は「男に振られた」とかも考えていました。しかし、キャリアウーマンということを考えて、仕事絡みの挫折としたほうがいいと考えて、本編のようになった次第です。
 ちなみに、プレミアムフライデーで早上がりできたからはしご酒をした、ということにしたのですが、「プレミアムフライデーは、それほど知られていないのではないか?」と担当氏からツッコミを入れられました。しかし、言葉の認知度自体は極めて高いとネット上のアンケートで出ていたので(実際に恩恵を受けている人は少ないようですが、亜耶の仕事先は一流企業という設定なので)、そこはデータを元に押し切りました。
 だいたい、通常の定時上がりで酒に強い亜耶が泥酔するほど飲むとなると、けっこう帰りが遅くなると思うので、基本引きこもりの栄樹が遭遇しない可能性がありますからね。本編では、文字数の都合でカットしたのですが、栄樹が部屋から出ていたのは入浴した直後だから、ということにしていました。そうなると、晩ご飯を食べて一息ついたら入浴ということになるでしょうから、そんなに遅い時間じゃないですよね。
 栄樹を引きこもりにしたのは、亜耶と対極のキャラにするためです。栄樹にとって、亜耶は憧れでもありコンプレックスでもある、ということで、キャラを組み立てていきました。ただ、当初はもっと二人の間を険悪にしていて、無防備な亜耶を見た栄樹が、「どうせ嫌われているんだから、今より嫌われても構うもんか」と手を出す感じにしていたのです。が、そこは担当氏の意見もあって、マイルドにと言うか、憧れの相手に手を出す背徳感みたいなものを強めることになりました。まぁ、この修正は第1稿を出してから行なったのですが。
 また、今回は短編ながら亜耶視点も盛り込むことを最初から考えていました。通常、短編では視点を一人に固定したほうがいい、と言われるのですが、出来の悪い義弟にいいようにされてしまう女性の心理を描いてみたかったこともあり、あえて挑戦してみた次第です。
 
 ということで執筆に取りかかったものの、第1稿はやはり枚数の問題が大きくのしかかりました。前述の通り、栄樹が風呂から出た直後だ、ということを書いていると、どうしてもページ数をオーバーしてしまうのです。そのため、そのシーンをバッサリカットし、さらには両親がヨーロッパ旅行中だということも、かなり簡潔に抑えました。まぁ、両親の旅行については、地の文だとどうしても少し長めになるため、最終的には亜耶のセリフとして言わせることで、どうにか解決しましたが。
 「肉体操作 息子の嫁を…」のときにも思いましたが、短編というのは必要なことに絞り込んで書かなくてはならないので、本当に大変です。ただ、丸1冊の原稿を書くことに慣れた身としては、短編の書き方はまた勉強にもなっていいのですけど。
 そうして、第1稿ができて、少し早めに担当氏にお送りして、チェックしていただいて第2稿の修正をしました。この段階でも、それなりに修正があって、けっこう苦労しましたね。とはいえ、どちらかと言えば、「ここは余計」「ここはふくらませて」みたいな感じの指示が多く、大筋で変更したところと言えば、前述の栄樹の亜耶に対する感情を、愛憎が入り混じっているものから、我慢できなくなって憧れの相手に手を出す、という感じにしたくらいでしょうか。

  なお、タイトルに関しては企画段階からこのままで、「他にいいタイトルはないかな?」と思いつつも、そのままにしてしまいました。まぁ、これが本作のベストタイトルという気もしていますけど。
 一応、「この先どうなるんだろう?」という余韻を残す終わり方をさせましたが、この先のことは読んでくださった方のご想像にお任せしたいと思います。

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みだらに餌づけて


 もともとは、電子書籍で某B級グルメ系漫画を読んだ際、アプリに「あなたにおすすめ」的なもので表示された別の漫画の表紙を見たのがキッカケでした。
 その漫画のキーワードが「餌づけ」で、表紙になんとなく惹かれて第1話を試し読みしたらツボにはまって購入。そうして、本編を読んでいたら、中に「スポ新のエロ小説みたい」というワードが出てきました。それを見たとき、「本当にエロ小説でやってやろうか」と思って、本作の原型となる発想が私の脳裏に閃いきました。
 ただ、もう一つ漠然とやってみたいことがあったので、新作のネタを担当氏に出す際、「餌づけ」ともう一つを併記し、「どっちがいいでしょう?」とお伺いを立てたんですよ。そうしたら、「『餌づけ』で行きましょう」と即答されました(笑)
 そのあとは、どんなヒロインを出すか、という話になったワケですが、メインヒロインを未亡人にすることは既定路線で、主人公を大学生にするのも最初から決めていました。原型となった漫画では、主人公とヒロインに年齢差がありすぎて、将来的なことを考えると厳しい気がしたので。さらに、打ち合わせの段階でヒロインの年齢も当初予定より1歳下げて27歳にして、年齢差を少し縮めることにした次第です。
 そして、河里と言えばハーレムなので、メインの静乃以外のヒロインも考えなくてはなりません。
 サブの人数を2人にしたのは、やはり3人にするとページ数的に厳しいことと、今回は複数プレイを入れて欲しいという担当氏からの要望が理由でした。複数プレイを入れると、そのぶんページが増えますからね。
 また、和洋中という料理の大雑把な種別から言っても、三人が一番描き分けしやすかったですし。
 というワケで、蘭子と美幸のキャラを作ったのですが、蘭子は彰吾の童貞喪失相手にすることを決めていたので、比較的簡単に思いつきました。
 しかし、美幸のほうはどういうキャラにするか、ちょっと悩みました。人妻にするのは、担当氏との打ち合わせ段階で決めていましたが、静乃がおしとやかなタイプなので対照的な性格にするのはともかく、それ以外の要素で彰吾と関係を持つに至る理由付け等々、かなり考えましたね。
 あと、美幸だけ料理が苦手というのは、餌づけ物としてどうかと思ったものの、一人くらいそういうキャラがいたほうが話を作りやすいだろう、という計算もしていました。結果的に、正解だったとは思っていますが。
 彰吾のダメ味覚設定は、元ネタ漫画の主人公もさることながら、実は主に私自身を参考にしました いや、私は彰吾と違ってちゃんと自炊できるのですが、味覚だけはまったく自信がないんです。たとえば、外で食べても店毎の味つけといったことは、よほど極端に違わない限りよく分かりません。もっとも、そのおかげでよほど舌に合わないものでない限り、だいたいの料理を食べることができるのですが。(昆虫料理といったゲテモノ系はビジュアルでちょっと……ですけど)
 あと、ダメ味覚にしたのは、料理についてあまり深入りしないためのものでもあります。味覚が鋭敏で、グルメ漫画みたいに蘊蓄を語るような人間にしたら、官能小説としては失敗でしょうから。
 ちなみに、アパートの設定については、けっこう古いアニメ化もされた某漫画も意識しつつ(分かる人には分かるでしょう(笑))、私が住んでいるアパートを参考に設定しました。管理人の住まいがメゾネットになっているというのは、まさに私が住んでいるアパートの形そのものです。

 そんな感じで、キャラと設定が固まれば、あとはストーリーを作るだけですが、こちらに関しては本当にキャラクターができた時点で「こういう話にしよう」と頭に浮かんでいたので、あまり苦労はしませんでした。プロローグの火災報知器の下りだけは、実は元ネタの漫画をリスペクトしたネタを使おうとして、担当氏から「そのまますぎる」と指摘されて、本編のような形に変更しましたが。
 火災報知器にしたのは、担当氏の指摘を受けて「なんかないかなぁ?」と思っていたとき、たまたまわが家の火災報知器が目に入ったからです(笑)
 現在、住宅用火災報知器の設置は法律で義務づけられていますが、義務づけ以前の建物では自分で機械を買わなきゃいけなかったんですよ。
 ちなみに、ほとんどの人は知っていると思いますが、火災報知器には煙検知式と熱検知式があります。私は、台所では熱式、階段などには煙式を設置しているんですけど、東京消防庁のホームページを見ると、台所でも煙式を推奨しているようですね。
 東京消防庁の推奨は知らなかったのですが、とにかく煙式はセンサーにホコリが溜まったりして誤作動を起こすことがある、と書いてあるのを見て、「これは使える!」と思いついた次第です。
 
 そうして、プロットにOKをもらって執筆を始めましたが、本作に関して言えば本文執筆中に苦労した記憶はあまりありません。執筆期間が花粉シーズンと重なっていて、ちょっと沖縄に逃げたりしていましたが、それでも〆切よりちょっと早めに原稿ができあがりましたし。
 また、例年だと確定申告の準備などでバタバタする時期と重なっていたのに、今年は亡母の相続の関係もあって税理士にお任せしたため、そっちの手間もまったくかからなかったのも大きかったですね いくら青色申告ソフトを使っていても、マメに入力をしていないと数日はロスしますから、それがあるのとないのとではかなり違います。ましてや、税理士を経由すれば税務署からのツッコミの心配もないだろう、という安心感もありましたし
 閑話休題。とにかく、この作品に関しては書きたかったことをほぼ削ることなく盛り込めました。その意味でも、私自身としては満足のいくものになっています。皆さんにも、気に入ってもらえれば幸いです。ついでに、「これを読んだらなんか食べたくなった」と思ってもらえれば成功かな、と(笑)
 とにかく、これは「餌づけ」が重要なポイントになっていましたが、官能小説としての主眼はエロスなので、食事とエロというバランスには気をつけましたね。
 なお、彰吾の裸エプロン妄想は、表紙に合わせて急遽、追加しました。表紙で裸エプロンを使うという話になって、「本編にないよね」ということになったものの、ガッツリ書き直す時間はさすがになかったので、妄想シーンを入れることで対応した次第です。
 あと、このタイトルは担当氏からプロット段階で提案されていたものです。私は、元ネタの漫画のタイトルをほぼ丸パクリしたような仮タイトルを考えていました 「餌付け」にするか「餌づけ」にするかは、けっこうギリギリまで決まりませんでしたが。

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肉体操作 息子の嫁を…


 官能小説雑誌「特選小説」で執筆した、初めての作品です。
 ちょうど、 「人妻マンション 快感売ります」」が発売された頃ですが、縁があって特選小説の編集部と連絡を取ることになりました。
 そうして打ち合わせをした際、私が「雑誌の作品は誘惑系が多いようですし、せっかく私が書くのに同じような系統をやるのもなんですから」と催眠系をやりたいとお話ししたところ、編集長が乗り気になってくれて、いい具合に話が進みましたね。
 もともとは、「肉体操作銃」ではなくスマホアプリみたいなものにしようか、とも考えたのですが、けっこうその手の話はそこら中にありますし、「アイドル強制操作」もそういうものでしたから、ちょっと工夫しようということで、玩具のような形状の銃ということになりました。
 そして、主人公とヒロインの関係についても、特選小説の読者層などを踏まえた結果、「息子の嫁」をヒロインにすることになり、主人公を50歳という、私の作品では最高齢のキャラクターになったわけです。年齢的に考えてあまり若いのは不自然ですし(実際には50歳前で30歳近い子供がいる人もそれなりにいるのでしょうが、なにしろ孝作はモテない男なので)、息子の嫁に劣情を抱くならこれくらいの年齢差かな、という感じで歳を設定しました。
 伊緒里に関しては、「こんなにいい子の肉体を自由にして弄ぶ」という背徳感を出すため、とにかくできた女性にすることを考えました。生意気な相手を言いなりにするのでもいいのですが、今回は枚数の都合もありましたし、シンプルに話を進めるには性格のいい子のほうがよかったんですよ。息子の北斗も、よくできた子という設定にしてあったので、そういう人間は生意気な女性を選ばないだろう、という考えもありました。
 ちなみに、北斗は本編で実際に出てきていませんが、設定としてはちゃんとどういう人間か、ということを作っています。もともと本編に北斗を出すつもりはなかったものの、伊緒里を妻にするワケですし、父親である孝作が息子を裏切る以上、ちゃんと考えておく必要はあったわけですね。まぁ、本編でも北斗に関する記述はあるので、読者の皆さんも実際にシーンとしては出ていなくても、彼がどういう人間かイメージが湧くかと思います。
 孝作の生活ぶりについては、本当は妻の美春の死後に宝くじが当たって仕事をしなくても生活できるようになった、ということにしていました。3年間の在宅介護の末、妻に先立たれて腑抜けになった人間が、戯れで宝くじを買ったら1等が当たった、という感じですね。しかし、担当氏から「読者が宝くじのほうに気を取られるのでは?」という指摘を受け、保険金に変更しました。

 内容については、打ち合わせでザックリと話した流れそのままですね。と言うか、枚数的に凝った話はできないので、一言で説明できるくらいにするのを心がけました。
 それでも、読んでいただければ分かる通り、ここで切ってもいいし、続編も作れるし、という感じで終わらせました。また、孝作に肉体操作銃を渡した老人については、意識していることはあるものの、現時点ではまったくの謎という感じにしました。本当に、あわよくば続きを書きたいものですが、そのためには読者の皆さんの支持がなければ……。
 
 本作で苦労したのは、とにかく枚数ですね。なにしろ雑誌ですから、ページ数が決まっているワケですよ。それに合わせて書かなくてはいけないので、書き下ろししかやっていない人だと対応に苦労します。
 もっとも、私はもともとシナリオから物を書く世界に入ったので、実は制限された枚数内で話を作ることをあまり苦にはしていないんです。今作にしても、枚数制限は意識してプロットを作ったため、あまり問題は感じていませんでした。こういう内容なら何ページくらいになる、ということは、経験則でだいたい見当がつきますから、今回もそれで大丈夫だと思ったのです。
 しかし、実際に書いてみるとあっという間にページ超過をしてしまい、1冊分の原稿との違いを痛感させられましたね。そのため、本当は孝作が出かけて老人と出会う下りを書いていたのにザックリ削って、物語のスタートを肉体操作銃を得たあとに変えるなど、普通の1冊分ならほぼない形での変更をしました。スケジュールに余裕があったため、時間をかけて修正ができて助かりましたけど、余裕がなかったら頭を抱えていたかもしれません。
 まぁ、それでもプロット時点で欲張り過ぎないようにしていたおかげで、なんとか本編のような形で書き上げることができました。

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