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河里一伸ぐうたらブログ

フランス書院美少女文庫で、エッチぃな小説を書いている河里一伸です。 このブログでは、自著の紹介と裏話を書いていこうと思います。あまり更新しませんが、よろしければ見ていってください。

肉体操作 息子の嫁を…


 官能小説雑誌「特選小説」で執筆した、初めての作品です。
 ちょうど、 「人妻マンション 快感売ります」」が発売された頃ですが、縁があって特選小説の編集部と連絡を取ることになりました。
 そうして打ち合わせをした際、私が「雑誌の作品は誘惑系が多いようですし、せっかく私が書くのに同じような系統をやるのもなんですから」と催眠系をやりたいとお話ししたところ、編集長が乗り気になってくれて、いい具合に話が進みましたね。
 もともとは、「肉体操作銃」ではなくスマホアプリみたいなものにしようか、とも考えたのですが、けっこうその手の話はそこら中にありますし、「アイドル強制操作」もそういうものでしたから、ちょっと工夫しようということで、玩具のような形状の銃ということになりました。
 そして、主人公とヒロインの関係についても、特選小説の読者層などを踏まえた結果、「息子の嫁」をヒロインにすることになり、主人公を50歳という、私の作品では最高齢のキャラクターになったわけです。年齢的に考えてあまり若いのは不自然ですし(実際には50歳前で30歳近い子供がいる人もそれなりにいるのでしょうが、なにしろ孝作はモテない男なので)、息子の嫁に劣情を抱くならこれくらいの年齢差かな、という感じで歳を設定しました。
 伊緒里に関しては、「こんなにいい子の肉体を自由にして弄ぶ」という背徳感を出すため、とにかくできた女性にすることを考えました。生意気な相手を言いなりにするのでもいいのですが、今回は枚数の都合もありましたし、シンプルに話を進めるには性格のいい子のほうがよかったんですよ。息子の北斗も、よくできた子という設定にしてあったので、そういう人間は生意気な女性を選ばないだろう、という考えもありました。
 ちなみに、北斗は本編で実際に出てきていませんが、設定としてはちゃんとどういう人間か、ということを作っています。もともと本編に北斗を出すつもりはなかったものの、伊緒里を妻にするワケですし、父親である孝作が息子を裏切る以上、ちゃんと考えておく必要はあったわけですね。まぁ、本編でも北斗に関する記述はあるので、読者の皆さんも実際にシーンとしては出ていなくても、彼がどういう人間かイメージが湧くかと思います。
 孝作の生活ぶりについては、本当は妻の美春の死後に宝くじが当たって仕事をしなくても生活できるようになった、ということにしていました。3年間の在宅介護の末、妻に先立たれて腑抜けになった人間が、戯れで宝くじを買ったら1等が当たった、という感じですね。しかし、担当氏から「読者が宝くじのほうに気を取られるのでは?」という指摘を受け、保険金に変更しました。

 内容については、打ち合わせでザックリと話した流れそのままですね。と言うか、枚数的に凝った話はできないので、一言で説明できるくらいにするのを心がけました。
 それでも、読んでいただければ分かる通り、ここで切ってもいいし、続編も作れるし、という感じで終わらせました。また、孝作に肉体操作銃を渡した老人については、意識していることはあるものの、現時点ではまったくの謎という感じにしました。本当に、あわよくば続きを書きたいものですが、そのためには読者の皆さんの支持がなければ……。
 
 本作で苦労したのは、とにかく枚数ですね。なにしろ雑誌ですから、ページ数が決まっているワケですよ。それに合わせて書かなくてはいけないので、書き下ろししかやっていない人だと対応に苦労します。
 もっとも、私はもともとシナリオから物を書く世界に入ったので、実は制限された枚数内で話を作ることをあまり苦にはしていないんです。今作にしても、枚数制限は意識してプロットを作ったため、あまり問題は感じていませんでした。こういう内容なら何ページくらいになる、ということは、経験則でだいたい見当がつきますから、今回もそれで大丈夫だと思ったのです。
 しかし、実際に書いてみるとあっという間にページ超過をしてしまい、1冊分の原稿との違いを痛感させられましたね。そのため、本当は孝作が出かけて老人と出会う下りを書いていたのにザックリ削って、物語のスタートを肉体操作銃を得たあとに変えるなど、普通の1冊分ならほぼない形での変更をしました。スケジュールに余裕があったため、時間をかけて修正ができて助かりましたけど、余裕がなかったら頭を抱えていたかもしれません。
 まぁ、それでもプロット時点で欲張り過ぎないようにしていたおかげで、なんとか本編のような形で書き上げることができました。

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わが家はハーレム


 竹書房ラブロマン文庫からの第2作目となります。
 本作の原型は、当時の担当氏からの提案によるものでした。だから、百合恵が四十路オーバーという、私の作品では最高齢のキャラになったわけです。ちなみに、百合恵の細かな年齢は内緒(^_^;
 その担当氏のアイデアをベースにディスカッションをして、基本方針を定めていってから、私がキャラに肉付けをしてストーリーも作っていったような感じですね。 
 ちなみに、担当氏のアイデアでは実際の作品で美奈子に当たるキャラも、実は尚人の父親・健太郎に開発されていた、という設定だったのですが、これはさすがに私が反対しました。
 理由としては、妻となる百合恵はともかく、その娘にまで手を出していたら、いくらなんでも健太郎が人でなしすぎるだろう、というのがあります。
 また、もう1つ大きな理由は、美奈子まで父親と関係していた場合、尚人が彼女と関係を持つことを読者がどう考えるか、ということがありました。美奈子がセックス好きというだけならともかく、先に父親に抱かれて開発されていました、となっては、さすがに尚人の心境的に興奮できないだろう、と思った次第です。
 何より、百合恵と美奈子の両方が健太郎に開発されていた場合、キャラの差別化が年齢以外に難しくなりますからね。
 こうした理由から、美奈子が健太郎に憎からぬ感情を抱いていたものの関係は持っていなかった、というキャラになりました。おかげで、健太郎がなんだかんだ言っても息子の尚人のことをちゃんと思っていた、という点を表せたと思っています。
 ちなみに、父の再婚相手は尚人から見ると正しくは「継母」、その娘は「継姉」や「継妹」になるはずですが、これは担当氏から「義母、義姉、義妹のほうがいい」と指摘を受けてそのようにしました。まぁ、義理の関係なのでこれも正しいですし、こだわっても仕方のない点ではありますが。

 こうしてキャラクターが定まり、ストーリーができれば、あとは執筆するだけです。
 ただ、今作はヒロインが4人いるため、どうしてもページ数が増えてしまいます。そこで、今作では百合恵と美奈子の視点での描写を全面的に省き、処女の泉希と麻由の視点だけを入れることで、ページを抑えることにしました。
 これには、非処女で年上のキャラの心情などあえて書くまでもないだろう、という判断もあります。それに、一人だけ(たとえば百合恵だけ、あるいは美奈子だけ)視点がないのも不公平になるので、ヒロインが四人いることもあって視点を描くのを二人、描かないのを二人と分け、同時にページ数を減らそうと考えたワケですね。
 もっとも、第1稿を送ったら「もっと減らしてくれ」と言われて、そこそこのページを削りましたが。その後、ゲラになった段階で、わずかが行数のはみ出しがあって、そこが前のページに収まるように調整し、さらに2ページ減らしました。
 また、プロローグは最初、第1章からの抜粋のような感じだったのですが、「同じエッチシーンを二度読まされるのは、読者的にどうよ?」という担当氏からのツッコミを受け、本のような形に全面的に書き直しました。
 実は、このときもページをけっこう減らしていまして、今作は通常より一人多いヒロイン数の中で、いかにページを減らすかで腐心していた気がします(^_^;
  
 ちなみに、本作のゲラが出る前に原型を提案した担当氏が退社されることになり、急遽、担当編集者が変わりました。丸々担当してもらったのは「人妻マンション 快感売ります」だけでしたが、この場を借りて感謝いたします。 

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人妻マンション 快感売ります


 さまざまなご縁があって、竹書房ラブロマン文庫から初めての出版となる作品です。
 というわけで、こちらで執筆するに当たって最初に打ち合わせたのが、誘惑物にするか凌辱物にするかという点でした。
 ご存じの通り、私はここ数年、特にフランス書院では催眠や強迫といった手段を使った凌辱物を中心に書いてきましたが、それ以前は誘惑物を書いていました。どちらでも対応できるため、まずはその方向性をどうするか、決めなくてはならなかったわけです。
 そこで、「誘惑系で行きましょう」という話になって、4本ほど企画を出したのですが、その中にこの作品の原型となるアイデアがありました。というか、仮タイトルが「人妻誘惑マンション」で、基本コンセプトは本作そのままでしたね。
 もっとも、この段階ではどんなキャラを出すかはあまり考えていなくて、「クビ寸前の新人セールスマンが、一人の人妻とのセックスレッスンをキッカケに、同じマンションの人妻たちと次々に関係を持つ」という程度のものでしたが。
 それでも、このアイデアで行こうという話になり、直接会っての打ち合わせでキャラの年齢や属性を詰めていきました。
 私の従来の作品と比べると設定年齢が全体的に高めなのは、担当氏との協議の結果です。まぁ、40代を出さなかったのは、この作品では子供がいない主婦をメインにしていたので、さすがに年齢が高すぎだろう、という判断があってのことです。草太が大卒ほやほやなので、40代だと下手をすれば母親みたいになってしまいますし、雪江の35歳というのが、22~23歳くらいの男が憧れる限界かな、と思いまして。
 で、登場キャラの平均年齢を下げるのとキャラクターのバリエーションを増やすために、一人だけ20代の新婚キャラ(春菜)を作ることになりました。やはり、登場キャラ全員が三十路以上で経験豊富では、書き手としても描き分けがなかなか難しくなりますから。
 そんな感じで、キャラの大まかな年齢と特徴を打ち合わせたら、あとは詳細な設定とストーリー作りです。

 今作の特徴としては、河里作品としては珍しく、視点を主人公の草太だけに固定したことがあるでしょう。これまでは、ノベライズを除くと女性視点の描写をほぼ確実に入れていたのですけど、今回はそれをあえてやめて主人公に視点を固定しました。
 その理由は、本文を読んでいただければ分かると思いますが、ヒロインたちの草太に対するスタンスにあります。
 これまで、私の誘惑物はヒロインたちが主人公に対して大なり小なり好意を寄せており、関係を深める中でどうしてそういう感情を抱くに至ったのか、そういう相手に抱かれてどんな思いをしているのか、といったことをヒロイン視点で描いていました。 しかし、今作は全員が人妻ということもあり、この部分をヒロインたちの視点で描くのはかえって不自然になりかねません。
 と言うか、ヒロイン視点で描いてしまうと、「夫より草太を好きになった」か「草太のことは嫌いじゃないけど、あくまでもセフレだし」みたいな打算か、そこらへんを明確にせざるを得なくなります。特に梓紗については、そこらへんの心理を具体的に描いてしまうと話がドロドロしそうだったので、あまり描きたくなかったんですよ。何を考えているか分からないミステリアスな女性に翻弄されつつ、セックスレッスンで草太が男としての自信を深めていくのが今作ではふさわしいだろう、と思った次第です。
 将来的にどうなるかは、読んでくださった方それぞれで想像していただければ、と思います。
 こうした理由の他、サンプルとしてもらったラブロマン文庫の作品でも、視点はほぼ主人公に固定されていたため、担当氏に聞いてそのあたりの制約がないことを確認した上で、今回はあえて視点を草太に固定しました。
 もっとも、そのせいで当初はページ数が余ってしまい、規定の枚数に到達しなくて頭を抱えましたが
 いや、私はだいたいプロット段階で「こういう話なら、こうやってこうすればこの枚数になる」と頭の中で計算できて、ほとんど誤差なく書けるんですよ。まぁ、オーバーして泣く泣く削ることもありますが。
 しかし、今回は視点を固定したことで思っていたほどページを使わず、最初は先方から指定された最低枚数にまったく到達しなかった、という事実が(^_^ゞ
 おまけに、私はなぜかどこかの段階から下限ページ数を10ページ少なく勘違いしていたんです。
 そのことに気づいたのは、けっこう書き進んでからでした。勘違いしたページ数よりも1ページくらい多めに書いて、「だいたい、こんな感じかな~。けど、フォーマットとか間違っていたら大変だから、念のため打ち合わせのメモを確認しよう」とメモ帳を見てみたら……「ページ数、10ページ近く足りないじゃん!」と気づいて、青くなりましたよ。
 1ページや2ページくらいなら、小手先のテクニックで簡単に調整できるのですが、10ページとなるとシーンの追加が必要になります。結局、あるシーンを増量し、なるべく自然な流れになるように整えて対応できたものの、あのまま気づかなかったら大変でした。確認ってやっぱり大切だな、と痛感しました。
 あと、念のためスケジュールに少し余裕を持たせておいたのも幸いしましたね。時間がなかったら、本当に頭を抱えていたでしょう。

 もう1つの特徴としては、ローターやバイブといった器具の本格使用、そして雪江のソフトSMですね。これらも、私としては初めての挑戦です。それっぽいことを織り込むのはこれまでもしていましたが、ここまで明確にやったのは初ですね。
 こうしたのは、やはり梓紗と千里と雪江の描き分けの問題がありました。なにしろ、梓紗がセックスレッスンの師匠で経験豊富な設定だったので、千里と雪江を普通にするとさすがにキャラの差別化ができません。そりゃあ、セックスレスになった事情はそれぞれに作っていますが、行為に入ってしまうと特に千里と梓紗の差別化は難しくなります。
 そこで、器具使用やソフトSMという要素を入れることを思いついたわけですね。これらを使ったプレイをすることで、バリエーションが広がりますから。
 自分で言うのもなんですが、これは描き分けという意味でも他の意味でもやってよかったと思っています。

 そんなわけで、本作はストーリー的にはシンプルですが、私的にはあれこれ試行錯誤し、挑戦してみた要素の多い作品です。皆さんにも気に入って漏られれば幸いです。
 

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アイドル強制操作~スマホで命令したことが現実に~

 
 さて、本作はクリムゾンさんの漫画が原作ですが、催眠系が好きな人ならタイトルくらい一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?  私自身、言いなり系のものを中心に書くようになって、ネタを探しているときに漫画版に出会い、「青獣の囁き: 今夜、女教師が僕の奴隷になる (フランス書院文庫)」を書く際のヒントにもしました。
 担当氏から、「この作品のノベライズをやりませんか?」と言われたときは、もちろん考えるまでもなく即決で引き受けましたね。
 で、最初からオリジナルキャラを一人は入れることは条件としてあり、それは別に考えることにしたのですが、キャラ選定の際に私のほうから「黒羽みつを出したい」と真っ先にリクエストを出しました。
 みつは、「クリムゾンガールズ」や「ヴァージントレイン」のキャラですが、スターシステムなら「アイドル強制操作」に出しても大丈夫だよね、と思った次第で。それに、クリムゾンさんの人気キャラですし、私自身も気に入っているので是非とも使いたかったのです。快諾いただけて、本当にありがたかったですね。
 と、そこまでは比較的順調だったのですが、ストーリーのところでちょっとつまずきました。
 実のところ、私としてはせっかくやるのであれば、原作漫画では攻略に失敗したアンリとオリエの攻略を成功させる、別世界の鎌田の姿を描きたいと考えていました。そのため、2つ作ったストーリー案の1つをこのバージョン、もう1つを通常の河里的な展開のものにして案を出しました。
 言うなれば、「STEINS;GATE」や「僕だけがいない街」のように世界線を移動した鎌田が、記憶こそ維持していないものの人生をやり直す、というような感じにしたかったわけです。
 しかし、この1案は却下され、結局2案をベースにオリジナルキャラを1人増やして作ることになりました。
 とはいえ、鎌田が悪魔のスマホを手に入れるところから始めたわけで、基本は別の時間軸の話と思ってもらえれば。
 オリジナルキャラの麻菜と聖美に関しては、最初は聖美を作り、もう一人オリジナルキャラにするとなったとき、クリムゾンさんのほうから出たアイデアをベースに麻菜のキャラを作りました。
 ちなみに、麻菜は当初別の名前だったのですが、クリムゾンさんの他作品で同名のキャラがいるとのことで変更になった、という経緯があります。さすがに、全作品を把握していなかったので、これは私のミスでした。
 聖美を、外面がいいのに本性はがさつ系という二面性のあるキャラにしたのは、クリムゾンさんの既存キャラと被らないように考えた結果です。
 と、そこまではよかったのですが、ここで一つ問題が出てきました。オリジナルキャラ2人とみつを出すのは決まったものの、あと一人のクリムゾンキャラをどうするか?という点です。つまり、本来はアンリとオリエを出すつもりだった枠の内、片方は新たなオリジナルキャラで枠がうまるものの、もう一人をどうするか、ですね。
 正直、これはかなり考えこみました。なにしろ、この段階で原作漫画のキャラが一人もいない状態なので、さすがにこれでは「アイドル強制操作」のファンにちょっと申し訳ないかな、と思った次第です。しかも、この段階でキャラの平均年齢が高めですからね。ここで女子アナとかグラドルとか出したら、平均年齢がさらに上がってしまって、美少女文庫の読者層から離れてしまいそうです。
 そこで、麻菜の年齢や、みつも女子大生であることを踏まえて、「アイドル強制操作~学園編~」(単行本などでは「JKコントロール」になっていますが)のあずさを出すことで、聖美との関連を作り、美少女文庫で違和感のない平均年齢にしたわけです。

 こうして、当初の予定としては、3月発売を目指すつもりで執筆を開始しました。
 しかし、本文を執筆を開始して少し経ったとき、老人ホームに入居していた母が意識不明になって緊急入院したことで、予定していたスケジュールは一気に崩壊しました。バイクで往復できる距離に住んでいる以上、意識がなくても実母の見舞いに行かないわけにはいきません。また、兄が近くにいるとはいえ、普通の仕事なので平日は見舞いに行けず、そこを埋める意味で私が一応は動かなくては、という事情もありました。自由業というのは、ここらへん融通が利きやすいので。
 ただ、見舞いで往復すると半日潰れますし、何度か見舞っていればそれだけ原稿は遅れます。そう分かっていたので、母が入院して意識を取り戻す見込みが立たなくなった時点で、担当氏には「原稿、遅れます」と連絡を入れておきました。
 結局、母は意識を取り戻さないまま1月の半ばになって帰らぬ人となり、そのあと葬儀やら老人ホームの片付けやらで時間を取られてしまって、けっこう大変でした。もっとも、そこらへんも計算に入れた上で再スケジューリングしておいた結果、再度の〆切はきちんと守れたのですけど。
 そんな感じで、私事のために担当氏やクリムゾンさんにご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳なく思った次第です。
 また、クリムゾンさんには通常の2倍のイラストを用意していただき、感謝するばかりです。

 執筆時の苦労は、とにかく母のことばかりが出てきてしまいますが、あとはクリムゾンさんの語録と言いますか、キャラのセリフに「クリムゾン語」とも言われるものを盛り込むことにも腐心しましたね。また、通常の私とは違う言葉の使い方なども(特にエッチシーンで)かなり意識しました。
 なお、私は通常、男性キャラを描写するとき、名のほうを書きますが、今回は「鎌田」と姓のほうを使っています。これも、原作で「紐男」という下の名前がほとんど出てきていないことや、イメージ的に姓のほうが読む方もしっくりくるだろう、と考えた結果です。
 クリムゾンさんのファンの方に、どこまで受け入れてもらえるか不安もありますが、イラストを含めて堪能して頂ければ幸いです。

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女看護師寮【忍び込み】


 この作品については、担当氏からの「女子寮もので」というリクエストから企画が始まりました。
 ただ、とにかく企画段階で担当氏との見解の相違があちこちにあって、かなり難儀しましたね。「看護師もの」で行くというところはもちろんですが、そのカテゴライズで揉め、キャラクターの設定でも揉めて、最後のほうでは「この案でダメだったら、この『女子寮もの』って企画自体を流したほうがいい」と私が口にしたくらいです。
 その「これでダメなら本当にこの企画はやめよう」と思って出したもので、やっとOKが出たときには、まだ実際の原稿を書き出してもいないのに本文を書き上げたとき並に安堵しましたよ。
 このようなこともあり、今回は特にキャラ作りの段階で苦労しました。
 ちなみに、当初はキャラを4人にしようと思って、もう一人分の設定を作っていたのですが、詩織里との微妙な被りがあって「減らしたいな」と思っていたところ、担当氏からも「3人にしましょう」と提案があり、これ幸いと一人減らしました。まぁ、ページ数的に4人描く余裕はなかったと思うので、これで良かったとは思いましたが。
 その削ったキャラというのが、作中のエピローグで裕吾が履歴書を目を付けた女性です。本来、詩織里が少し先輩で彼女が新人看護師だったのですが、キャラを減らすことになって詩織里にお嬢様というだけでなく新人属性も付加した時点で、この子の存在意義がなくなったわけですね。とはいえ、、せっかく作ったキャラなので少しくらいは役立ってもらおう、と思って最後に出したという
 ちなみに、今回は快楽で女性たちが堕ちる感じで、MC要素は薄めになりました。まぁ、今回は河里にとっての変化球と言いますか、特殊なガジェットや能力を使わないでおこうという方針があったので、そのぶん快楽による精神的な依存で女性たちが堕ちていく、という流れをメインにした次第。快楽堕ちも、MCと言えばMCという気はするのですが。
 
 原稿に取りかかってからは、あまり苦労した記憶はありません。個人的には、プライベートで執筆への集中を妨げることがあって難儀したのですが、原稿自体はほぼ迷いなく、想定していた期間で書くことができました。設定段階では苦労したキャラクターも、思っていたよりはすんなりと動きましたし。
 ちなみに、「忍び込み」という部分は、正式タイトルが決まったあとに、やや強引にねじ込んだものです。私としては、そういう雰囲気を出す気はあまりなかったのですが、原稿完成後にタイトルが「女看護師寮【忍び込み】」と決まって、担当氏から「タイトルに合わせた忍び込み感が欲しい」というリクエストを受けて、ゲラの段階で可能な範囲の修正を加えました。
 もし、最初から「忍び込み」をキーワードになっていたら、詩織里以外のキャラの展開は違うものになっていたでしょうね。ただ、さすがにゲラの段階では大規模に直す余裕などないので、細かいところを修正したり追記したりして、なんとかタイトルに合わせた面はあります。
 一般文芸だと、ゲラの段階で元原稿の原型がなくなるくらい大量に朱入れをする、という作家さんもいるようですが、ここらへんは出版社やジャンルなどの違いもあるでしょうし、ページ数などがガッチリ固まっている以上は許される範囲でなんとかするしかないわけです。そもそも、ゲラチェックに与えられている時間と私の執筆ペースを鑑みると、大規模な修正などできるはずもないわけで……。
 
 ところで、世間的には男女とも「看護師」で統一されてからも、官能小説の世界では女性看護師のことを「看護婦」と言い続けていました。実際、私が2012年に出した作品も、「秘密の扉 担任女教師と女医と看護婦」だったので、その流れのままなら本作のタイトルはきっと「看護婦独身寮」あたりになっていたでしょう。しかし、「看護師」という職業名称が定着したからなのか、あるいは他の理由があるのかは分かりかねますが、官能の世界でもいつの間にかちゃんと「看護師」と呼ぶようになったようです。
 これも、時代の流れというものなのでしょうかね?

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