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河里一伸ぐうたらブログ

フランス書院美少女文庫で、エッチぃな小説を書いている河里一伸です。 このブログでは、自著の紹介と裏話を書いていこうと思います。あまり更新しませんが、よろしければ見ていってください。

濡れ肌バイク美女


 私は、自身がバイクに乗ることもあり、官能小説でも主人公がバイクに乗る話を書きたいと常々思っていました。実際、過去には「未亡人女将の宿 陶酔」という作品でも、バイクに乗る主人公を出したことがあります。
 竹書房で仕事をすることになったときも、実は最初の打ち合わせでどんな話をやろうかと方向を定めるための叩き台を作った段階で、ツーリングもののアイデアを出していました。
 しかし、前の担当氏、また現担当氏ともツーリングものにはいい顔をしてくれず、長らく放置状態になってしまったのです。バイクものは売れない、と考えていたようですね。
 それでも諦めきれず、前作「社畜OLの誘惑」の原稿が終わったあとに、いくつかのネタと一緒にツーリングものの話を改めて持ちかけました。そして、担当氏が企画会議にかけたところ、他の編集部員の反応が思いのほかよかったそうで、急転直下「ツーリングものをやろう」ということになりました。私としてはダメ元だったので、これは嬉しい誤算でしたね。
 ところが、ここからがけっこう大変でした。
 私としては当初、主人公を三十代半ばくらいにして、少しファンタジックな要素(幽霊とか)を取り入れるなど、これまでの河里作品とは一線を画したものを書きたいと思って、そういうストーリー案を軸に作っていました。
 しかし、担当氏にこの案は却下され、主人公を大学生にして、ファンタジックな要素をすべて取り除いたものでやることになった次第です。
 さらに、担当氏からはいくつかの注意を受けて、今作ではその注意点を意識して書いたため、従来の河里作品とは大きくは違わないものの、少し異なる感じにはなっているかと思います。

 こうして、プロットを作ることになったのですが、本作を読んだ方ならライダースーツの「ツナギ」がキーワードになっているのはお気づきとは思います。
 これは、担当氏が妙に推してきた方向性でしたが、ライダーの私としてはつい現実的に考えて、「サーキットを走ったりしない限りツナギはあまり着ない」と最初は渋りました。トイレとか、大変ですからね。しかし、そこはあまり現実的である必要はない、という担当氏の言葉で、こちらも割り切ることにした次第です。
 ところが、ここで大きな問題が出てきました。ツナギだと、エッチシーンが極めてやりにくいんですよ 
 その解決策の1つとして、愛梨沙の股のところが取れるツナギのギミックがありますが、このアイデアは担当氏が考えつきました。これも、バイク乗りではない人だからこそ思いつく発想かもしれません。私などは、つい現実的なツナギの構造に囚われてしまうので。
 ただ、そんなギミックのツナギばかり出てくると、さすがに不自然でしょうし、ツナギの女性とばかりエッチしているとシーン的な差別化が難しくなります。ということもあり、過去でもなんでも各ヒロインが一度はツナギを着ていて、主人公の裕太に何かしら影響を与えたことにして、どうにか問題を解決しました。
 このツナギ問題と並行して、各キャラクターを作っていったのですが、麗香と美琴と愛梨沙は比較的簡単に職業などを決めることができました。特に、愛梨沙に関しては特注のツナギを着るキャラにするため、そういうものを注文する場所とツテのある人間として、バイク雑誌の編集者というのを、早い段階で思いつきましたね。
 麗香が大学の先輩というのと、美琴がドライブインに住んでいるというのも、初期段階で決めていました。ただし美琴が元レーサーというのは、ツナギを着るキャラにするため後付けで設定したものです。
 実は、キャラを考えるときもっとも苦労したのがこずえでした。というのも、美琴とキャラ的に被るところが多く、差別化をどうつけるか非常に難しかったのです。夫とライダーズハウスをやっている、という設定だけだと、ドライブインを切り盛りしている美琴と、そんなに変わらないですからね。結局、親戚にすることで差別化できそうだ、と思いついて、ようやく具体的なキャラのイメージができた感じでした。
 従姉ではなく、又従姉まで親等を離したのは、関係が悪化しない状態でしばらく疎遠になる状況をなるべく自然に作ろう、と考えた結果です。
 
 そうして、キャラクターが定まって、ストーリーもいっぺん書き直したりはしたものの、無事に執筆となったのですが、ここでもまた苦労する羽目になりました。
 いや、出だしは順調で余裕があったんですよ。ところが、計算違いがいくつも積み重なって、気がつけば〆切間際という
 3月の花粉症や、それに伴う沖縄疎開による遅れは計算の範疇でしたが、3月後半~4月末にかけてのほぼ毎週、洋画の大作が公開されることは、分かっていたのにスケジュールを組み立てたとき綺麗に失念していました。
 結局、鑑賞しようと思っていた作品を少し諦めて、どうにか時間をやり繰りしながら可能な限り映画を観つつ、原稿のほうも〆切に遅れないように終わらせることはできましたが。
 あとはやはり、上記の通り今回はこれまでと少し書き方が異なったため、バランスの調整が意外に難しかったというのもありますね。従来の書き方ならちょうどいいか少し多い枚数になる計算だったのが、書き方を変えた結果、予定ページ数に達しなくてシーンを書き足したり、ということもありました。
 もう1つ今作で残念だったのは、取材旅行をする時間的余裕がなかったことです 実際の名前を出したところは、以前行ったことがあったのですが、できれば執筆中に次作の取材も兼ねてちゃんと現地を確認したかったなぁ、という思いは残りました。まぁ、あくまでも個人的な話ですけど。
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淫獄の罠

 このブログでも何度か書いているとおり、特選小説での私は、ラブロマン文庫とは異なる辱寄りのものを書いています。
 今作も、その流れでアイデアを作ったのですが、最初は「ヒロインが親友を救うために自分の身体まで差し出したのに(媚薬を飲まされていたため受け入れてしまった)、肝心の親友はセックス中毒になっていて救出を拒み、さらに自身の痴態もビデオ撮影されていた」という感じのあらすじでした。
 このように、基本的なアイデアを作った時点で、本作はヒロインにとって救いのないものにしよう、というのは決めていました。河里一伸はどこまでダークなものを書けるか、という挑戦みたいなことをしてみたかったのです。
 基本アイデアに「ビデオ」と書いてあるので分かるかと思いますが、もともとは現代を舞台にこの話をやろうと思っていたんです。しかし、携帯電話もあって防犯カメラもそこかしこにある現代の東京で、人が行方知れずになったのに騒ぎにならないで済むでしょうか? 自ら姿を隠したにしても、まったく音信不通になったら、それこそ友人がTwitterなどSNSでの情報提供を呼びかけたりして、あっという間に騒ぎが広がる可能性があります。
 ちなみに、この基本アイデアの時点では、ヒロインも親友も社会人にしていました。社会人なら姿を消しても自己責任、と考えることもできるかな、と思ったので。
 ただ、どうもしっくり来なくて、どうしようかと悩んでいたときに、ちょうど特選小説の編集部で打ち合わせをすることになったんです。で、担当氏と打ち合わせをしている最中、なんの弾みだったか、特選小説の昭和特集のような話が出たんですね。確か、他のアイデアについてあれこれ話していたときだったと思いますが、細かくは覚えていません
 とにかく、「昭和」というワードが出たとき、私の頭の中でこの作品の原型となったアイデアと時代とのマッチングが起きて、「これだ!」と閃いたわけです。そして、その場で1964年の東京オリンピックの時代にすることを決めました。
 同時に、ヒロインを大学生にすることなども決めて、もう一気にプロットまで進んだ感じでしたね。
 しかし、その後しばらく、こちらの原稿に手をつけることができず、1月号に間に合うようには書けませんでした。もっとも、2018年1 月号の特集は「忘れられない想い出…昭和人妻エロス」 だったので、どのみちこの作品は対象外でしたが
 1964年の東京オリンピックの時代にしたのは、2020年の東京オリンピックがあるのはもちろんですが、東海道新幹線の開業や東京オリンピックの開催と言った明るい話題が多い時代の陰で、もしかしたらこういう暗い事件が新聞沙汰になることもなく起きていたかもしれない、という考えもありました。
 
 さて、キャラクターについてですが、まず美子については、勝ち気な女性にすることを最初から決めていました。行方不明になった親友を心配し、探しまわる行動力の持ち主なので、とにかく快活な女性にしようと思ってキャラクターを作りましたね。
 また、東京オリンピックの頃は、まだ戦前の考えと戦後の男女平等の考えが入り混じっているあたりなので、積極的に社会に出て仕事をしようと思いつつ、貞操観念は昔ながらの感じでも違和感はないだろう、というのもありましたね。そういう意味でも、時代をここに設定したのは正解だった、と思っています。
 夏江に関しては、設定は作ってありましたが、出番がもともとあまりない予定だったので、基本的に美子と馬が合って親友だったというだけで問題ないかな、と。
 なお、美子とか夏江という名前は、時代背景を考えて付けました。この頃だと、女性には無難な名前を付けているでしょうから。
 毒島は、ヤクザの親分なので、ワルっぽい感じは最初から考えていましたが、筋肉ゴリラではなく比較的インテリヤクザっぽいイメージで考えていました。取り締まりが厳しくなっている中、頭を使って立ち回らないと警察に潰されると思ったので。
 
 そんなワケで、竹書房ラブロマン文庫の原稿が終わってから執筆に取りかかったのですが、時代背景もあってこれはかなり苦労しました。
 何が大変だったかって、まずは言葉遣いです。現代では当たり前でも当時はほぼ使われていなかった言葉、逆に当時は使われていたものの現代ではほとんど使われなくなった言葉があるので、まずそこらへんを気にしなくてはなりません。
 そして、枚数の問題ですね。現代ではないので、多少なりとも時代について書かなくてはならなかったのですが、何しろ短編なので余計なことを書くとあっという間に規定枚数をオーバーしてしまいます。時代について最低限は触れつつ、いかにコンパクトにするかで非常に苦労しました。
 それでも、粗入力をしただけでほぼ規定枚数に達してしまい、朱入れをしてボリュームが増えたら10枚以上もオーバーして、さすがに頭を抱えましたよ。とはいえ、文章どころか文字単位で見直して少しずつ削っていき、完成稿で無事に規定枚数に収めることができましたが。
 まぁ、そのあと当時の担当氏から鋭いツッコミを受けて、そこそこ書き直しましたけど、おかげでかなり完成度が上がったと思っています。
 ちなみに、美子が盛られた薬については詳細を書くのを避けましたが、基本的にはLSDを参考にしました。純粋なLSDだと、効果が異なるので、イメージとしてはLSDをベースにした薬、という感じですね。
 長編なら、この絶望的な状況からの逆転があるのか、それとも美子も完全に堕ちてしまうのか、というところを書くのでしょうが、あいにくとこれは短編なので、本文のところでおしまい。先のことは、読んでくれた皆さんでそれぞれ想像していただければと思います。
 
 なお、当時の担当氏は2月末付で退社されることになり、私の担当は本作が最後ということになりました。お若いながら、鋭いツッコミをいくつももらい、こちらも本当に勉強になりましたし、とても感謝しています。
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社畜OLの誘惑


 もともとは、担当氏から「今度は社畜ものを」というリクエストをもらったところから、話が始まりました。
 参考がてら、某マンガをいただいて読んだりしたものの、「女上司のみだれ顔」のときにも書いたように、私にはまともなサラリーマン経験がありません。そのため、「社畜」という感覚を掴むところから始めなくてはならなかったので、初期段階でいささか難儀しました。
 実は、一応その手の会社に内定をもらった身ではあるのですが、結局は色々あって入社しなかったんですよ。もっとも、もしもあの会社に入っていたら私は作家になっていなかったかもしれないので、「人間万事塞翁が馬」だなぁ、と思う次第でして……。
 それはともかく、そんなワケで、もしかしたらIT業界の人からは「これくらい当たり前」と思われてしまうかもしれない、と思いつつ、私としては「自分ならこんなところで働きたくない」と思えるような感じで、会社の設定を考えてみた次第です。
 ちなみに、「ムーンライズシステム」という名前については、実在しない社名を考えていく中で思いつきました。二次請けがメインの会社なので、太陽のおかげで輝く月、みたいなイメージでつけた名前です。

 キャラの人数は、今回の話をいただいた時点で「「女上司のみだれ顔」」との差別化で、「今作は複数プレイをやりたい」と考えており、最初から3人に絞り込んでいました。4人出すと、3Pや4Pを描く枚数的な余裕がなくなりますから、人数を絞る代わりに複数プレイを入れることにしたわけです。
 キャラの性格については、人数を決めた時点で概ね固まっていましたね。そのため、キャラ造型にはあまり悩みませんでした。
 そんな中で、多少悩んだのは春香です。こういう子が、どうしてムーンライズシステムに来たのか、そして何故辞めないのか、という点については、なんとか整合性を取ろうと苦戦しました。この手の子は、よほどのことがない限り、すぐに辞めちゃうと思いますから。
 真菜美は真面目であるが故に社畜になり、智代はもっと酷いところを知っているから、これくらいまだマシと割り切っていて……というのは、キャラを思いついた時点で考えていました。
 智代の謎の権力ポジションというのも、初期の設定段階からあったものですが、どうしてそういうことになったのかはあまり深く考えていませんでした まぁ、便利キャラにしておきたかった、ということで。
 ちなみに、男性キャラの名前は超適当です(笑) 少なくとも、東京都内と近郊に住んでいる人なら、男性キャラのネーミングの法則にすぐ気づいたはずです。三鷹、中野、大久保……はい、中央総武線の沿線駅ですね。
 もともと、チームに男性メンバーがいることにはしていたのですが、彼らの名前をまったく考えておらず、書き出してから「やっぱり名前があったほうがいいよな」と思ったのです。ただ、大したメンバーでもないので思いつきで名前をつけました。反省はしていません
 
 ストーリーについては、キャラの性格を一通り作った時点で、だいたい出来上がっていたので、あまり苦労した記憶はないですね。基本ラインは、修正時にもほとんど変えていませんし。
 執筆自体も、あまり苦労した気はしないのですが、油断したのかなんなのか、なぜか〆切までの時間が途中から足りなくなってしまって、いささか焦りました。私、だいたい一定のペースで仕事ができますし、今回も許容範囲内で原稿はできたのですが、どこかで計算が狂っていたみたいで、そのことに気づいたときは冷や汗をかきましたよ。もうちょっと、まめに予定を確認しておけばよかったです。
 あとは、けっこう細かいところで修正指示を受け、まだまだ己が未熟であることを痛感…… 
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女上司のみだれ顔


 もともとは、担当氏から「今度は女上司もので」とリクエストされたのが、この作品を生むキッカケになりました。
 ただ、参考資料をいただいて読んだものの、「これはそのままじゃ無理だわ」という話になり、「女上司」という部分だけを活用して、物語を作ることにした次第です。
 この時点で、今回のヒロイン数を四人にすることは決まっていました。
 問題は、「上司」をどう位置づけるかで、大きな会社では今回の話には向かないでしょうし、小さな会社では社長はともかくあとは上司と言っても大した役職も付かないでしょうし……という感じで、どうするべきか頭を痛めましたね。
 結局、舞台となる会社を合同会社にした時点で、まず社長である代表社員の志保と、合同会社の株主でもある業務執行社員の万里子と清美を「上司」という扱いにすることで、この点はクリアしました。が、それだけだと平均年齢が高く、話のバリエーションも不足するため、立場の近い人間を出そうと思い、同い年ながらも先に入社していた莉菜も「上司」みたいな扱いにしたわけです。かなり強引だなぁ、と我ながら思いますが(笑)
 で、キャラクター設定を詰めていったのですが、もっとも苦労したのは万里子と清美の差別化だったと記憶しています。
 志保に関しては、非常に責任感が強く、それ故に自身に向けられている好意に疎い、という基本設定は、社長(代表社員)にした時点で決めていたので、あとは諸々の肉付けをするだけでした。
 莉菜に関しても、「こういうキャラにしよう」と決めるまで多少苦労はしたものの、そこが決まったら設定作りに苦労はしませんでしたね。
 しかし、万里子と清美は、独身(離婚)と既婚という以外に、どうキャラを差別化をするべきか、かなり頭を悩ませました。何しろ、共に年上の設定ですからね。
 結局、万里子は筆下ろし担当なので性的に奔放なタイプで、清美は夫の転職失敗などで夫婦関係がギクシャクしてセックスレスになった、ということで、どうにか各々の特徴は出せたかな、と思っています。
 ちなみに、万里子が泥酔したフリをして……という展開にしたのは、実はちょうど同時期に特選小説の「泥酔した義姉を」を執筆していたことが影響しました。
 いや、あっちは本気で泥酔していたワケですが、万里子がどうやって圭介を誘惑するか考えていたときに、「泥酔」というキーワードが頭をよぎりまして。最初は、本気で酔わせようかと思ったものの、「泥酔した義姉を」との差別化や、酔っ払った勢いだけで童貞食いというのもいささか芸がないと考えて、本編のようになった次第です。
 なお、株式会社ではなく合同会社にしたのは、さまざまな法的な手続きなどを簡略化できるからです。が、合同会社の場合、正式には社長って「代表社員」なんですよねぇ。その点、ちょっとどうしようか悩みました。結局、社則で「代表社員を社長と呼ぶ」とすれば問題ないと分かって、そのようにしましたが。とにかく、会社を作って経営するってやっぱり大変だよなぁ、と調べながらしみじみ思いましたよ。
 
 そんな感じで、プロットにOKが出て書き出したのですが、今回はやけに執筆に苦労しました。まぁ、私にまともなサラリーマン経験がないせいもあるのでしょうけど、自分の時間の使い方に反省するべき点が多々ありまして……
 本当に、「なんでここまでしかできてないんだろう?」「今日の時点では、これくらいできていないとヤバいんじゃない?」と思ったことが一度や二度ではありませんでした。そんなことをしながら、旅行に行ってますます時間がなくなる、ということもやらかしたりとか まさに、自業自得です。
 また、清美との二回戦とエピローグの志保とのラブシーンは、実は第1稿だと書いておらず、担当氏からの指摘を受けて2稿目で書き足しました。清美の部分は、やや物足りなかったということと、エピローグは色気がなさすぎ、というのが主な理由でしたね。
 購入して本文を読んでくれた人なら分かると思いますが、特にエピローグはあのラブシーンがない場合どうなるか、想像してみてください。 私としては、第1稿の時点ではエピローグはダラダラ書かずに終わらせることを考えていたものの、確かに官能小説としては物足りなさは否めなかったかな、と指摘を受けてから思いましたね。
 まぁ、今回は人数の割に何故かページ数に余裕があったため、書き足すのが容易だったので助かりました。キツキツだったら、さすがに追加シーンなど入れたらどこを削るかで頭を痛めていたことでしょう。
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泥酔した義姉を

 特選小説2017年11月号に掲載された、第2作目の短編作品です。
 タイトルだけ見ると、凌辱か誘惑か判断がつきかねるかもしれませんが、基本的に特選小説では凌辱系で行く方針なので(今後どうなるかはともかく少なくとも現時点では)、凌辱色の強いものになっています。
 もともとは、自分が酒を飲んでよく寝てしまうことから、「もし、女性が泥酔して寝たところを襲われたら」と想像して、この作品のアイデアが閃きました。まぁ、私は基本的に泥酔状態になるほど酒を飲まない……と言うか、そこまで飲めないですし、許容量を超すと身体が酒を受けつけなくなる上に絶対二日酔いになる、という困った体質なので、今は二日酔いを避けるため飲み過ぎないようにそこそこ自重はしています。飲まない、という選択はないのですが
 ちなみに、編集部にはこの作品以外にもいくつかネタを出したのですが、今回は本作がいいだろうということになりました。ネタ的には、よりやってみたいものはあったのですが、担当氏と話していて想定していなかった方向性が見えたので、それを練り込む時間が必要になって今回はパスということにしました。
 
 さて、そんなワケで「泥酔した義姉を」をやることになったのですが、ヒロインをキャリアウーマンにすることは決めていたものの、彼女が泥酔するほど酒を飲む理由については、ちょっと悩みましたね。結局、プロジェクトリーダーをしていたプロジェクトが打ち切られて、やけ酒を飲んだということにしたのですが、最初は「男に振られた」とかも考えていました。しかし、キャリアウーマンということを考えて、仕事絡みの挫折としたほうがいいと考えて、本編のようになった次第です。
 ちなみに、プレミアムフライデーで早上がりできたからはしご酒をした、ということにしたのですが、「プレミアムフライデーは、それほど知られていないのではないか?」と担当氏からツッコミを入れられました。しかし、言葉の認知度自体は極めて高いとネット上のアンケートで出ていたので(実際に恩恵を受けている人は少ないようですが、亜耶の仕事先は一流企業という設定なので)、そこはデータを元に押し切りました。
 だいたい、通常の定時上がりで酒に強い亜耶が泥酔するほど飲むとなると、けっこう帰りが遅くなると思うので、基本引きこもりの栄樹が遭遇しない可能性がありますからね。本編では、文字数の都合でカットしたのですが、栄樹が部屋から出ていたのは入浴した直後だから、ということにしていました。そうなると、晩ご飯を食べて一息ついたら入浴ということになるでしょうから、そんなに遅い時間じゃないですよね。
 栄樹を引きこもりにしたのは、亜耶と対極のキャラにするためです。栄樹にとって、亜耶は憧れでもありコンプレックスでもある、ということで、キャラを組み立てていきました。ただ、当初はもっと二人の間を険悪にしていて、無防備な亜耶を見た栄樹が、「どうせ嫌われているんだから、今より嫌われても構うもんか」と手を出す感じにしていたのです。が、そこは担当氏の意見もあって、マイルドにと言うか、憧れの相手に手を出す背徳感みたいなものを強めることになりました。まぁ、この修正は第1稿を出してから行なったのですが。
 また、今回は短編ながら亜耶視点も盛り込むことを最初から考えていました。通常、短編では視点を一人に固定したほうがいい、と言われるのですが、出来の悪い義弟にいいようにされてしまう女性の心理を描いてみたかったこともあり、あえて挑戦してみた次第です。
 
 ということで執筆に取りかかったものの、第1稿はやはり枚数の問題が大きくのしかかりました。前述の通り、栄樹が風呂から出た直後だ、ということを書いていると、どうしてもページ数をオーバーしてしまうのです。そのため、そのシーンをバッサリカットし、さらには両親がヨーロッパ旅行中だということも、かなり簡潔に抑えました。まぁ、両親の旅行については、地の文だとどうしても少し長めになるため、最終的には亜耶のセリフとして言わせることで、どうにか解決しましたが。
 「肉体操作 息子の嫁を…」のときにも思いましたが、短編というのは必要なことに絞り込んで書かなくてはならないので、本当に大変です。ただ、丸1冊の原稿を書くことに慣れた身としては、短編の書き方はまた勉強にもなっていいのですけど。
 そうして、第1稿ができて、少し早めに担当氏にお送りして、チェックしていただいて第2稿の修正をしました。この段階でも、それなりに修正があって、けっこう苦労しましたね。とはいえ、どちらかと言えば、「ここは余計」「ここはふくらませて」みたいな感じの指示が多く、大筋で変更したところと言えば、前述の栄樹の亜耶に対する感情を、愛憎が入り混じっているものから、我慢できなくなって憧れの相手に手を出す、という感じにしたくらいでしょうか。

  なお、タイトルに関しては企画段階からこのままで、「他にいいタイトルはないかな?」と思いつつも、そのままにしてしまいました。まぁ、これが本作のベストタイトルという気もしていますけど。
 一応、「この先どうなるんだろう?」という余韻を残す終わり方をさせましたが、この先のことは読んでくださった方のご想像にお任せしたいと思います。
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